行き止まりの路線の終点でSLのような片運転台の車両が方向転換する場合、通常はターンテーブルが使われると思いますが、線路の組み合わせだけで方向を変える方法もあります。路面電車でよくみるラケットループや、デルタ線が挙げられます。このうちデルタ線は2回エンド交換をしますが、さらに複雑に4回エンド交換をするような星形配線の線路が存在することを知りました。デルタ線と比較した星形配線のメリットとしては、線路の敷設に必要な土地が小さくなる、カーブの曲率を大きくできる、といったところかと思います。短所は明白で、ポイントや交差の数が増える、エンド交換の回数が増える点でしょう。

気になって場所を調べてみたところ、イタリアに3箇所存在する(存在した)ことを紹介したページに行き当たりました。北イタリアの”Malles Venosta”、サルディーニャ島の”Carbonia Stato”と”Oristano”です。Google mapの航空写真で確認してみると、完全な形で残っているのは”Carbonia Stato”のみで、”Malles Venosta”は一部のレールがはがされており、”Oristano”は整地されて跡形もない状態に見受けられました。
Carbonia Stato
Malles Venosta
Oristano
サルディーニャ島の鉄道は非常に魅力的で一度訪問してみたいと思いつつ、現地までの移動手段を考えるとなかなか実現することができず、今回は北イタリアの”Malles Venosta”を訪問することにしました。
Malles Venosta
2023.3.10、この日は早朝にLondon Gatwickからオーストリアのインスブルック空港に飛び、そこでレンタカーを借りてイタリアに入りました。小型のマニュアル車を予約していたのですが、レンタカー屋さんがお節介で大型のオートマ車(AUDI A4ワゴン)にアップグレードされていたり、オーストリアの高速道路を通行するために必要なVignetteを購入しなければいけないのかわからなかったりと、若干あたふたしながらのレンタルになりました。(結局ふつうのレンタカーはVignetteを備えていて客のほうで購入する必要はなし。E-Vignetteだったのでフロントガラスに証憑は貼っておらず、Webで車のナンバーを検索すると確認できた)
インスブルックから一旦西方のLandeckまで向かい、国境を超える形で南下してイタリアに入りました。国境からは20kmあまりでMalles Venostaに到着します。Malles Venosta自体はBolzanoから分岐する支線の終点にある現役の駅です。星形線の中に設けられた駐車場に車を停め、様子を観察することにしました。

早速、複雑な配線が目に入ります。左手が本線側で、中央左から進入した車両が右奥へ向かい、折り返して左手前、中央奥、右手前、といった順で方向転換するようです。撮影場所の背後に右から左に抜ける線路があって本線にもどる格好になっています。

折り返し側です。車止めが見えますが、本来はもっと奥までレールが続いていたのでしょう。


最初の写真の反対側から見てみました。右手が本線で、進路は右奥→左手前→中央奥→右手前→左奥→・・・ の順ですね。


左の写真が最後の折り返し地点で、振り返って右の写真の方向にある駅に戻っていきます。

Malles Venostaの駅舎とホームです。列車が発着する狭間の時間帯なのか、駅はひっそりとしていました。


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