Zurichの傾斜鉄道

Zurich

トラムアトラスのスイス・オーストリア版(Tram Atlas Schweiz & Oesterreich)のZurichの路線図を眺めていると、街の東側に2つの傾斜鉄道があることを知りました。ラック式鉄道(Rack Railway)のDoldebahnと、ケーブルカー(Funicular)のSeilbahn Rigiblickです。Zurich中央駅近くにあるPolybahnは乗ったこともあったのですが、先の2つは存在も知らなかったので、2022.06.05に乗りに行くことにしました。

Dolderbahn

Dolderbahnは、路面電車の Römerhof から山を登り、Bergstation へ至るラック式鉄道です。途中に2駅あるようです。この日はBremgardenの宿を出てZurichに着いた後、ForchbahnでEsslingenを往復してZuirchに戻ってきました。まずはRömerhofに向かいます。

Dolderbahnの Römerhof駅は、Zurich中央駅から路面電車で10分足らずの街なかにあります。入口からのぞくと奥の明るいところに、既にスロープ状に傾斜したホームが見えます。

写真を撮る間もなく乗った電車は、すぐに登り始めました。掘割の中を進んでいるのか、いくつかの道路橋の下をくぐっていきます。

路線の途中で対向列車と交換します。一般的なケーブルカーと同じように、中間地点のみ複線になっている形態のようです。傾斜の途中でラックレールが途切れないようにするためか、分岐器はレールごとスライドするタイプでした。

8分で山上駅の Bergstation に到着します。乗ってきたのがBhe 1/2の1号車、途中ですれ違ったのが2号車ということになります。(2024年には2両ともStadler製の新車に置き換えられており、2022年の訪問は私にとって貴重な記録となりました)

上右の写真でホームの壁に展示されているプーリーが示す通り、Dolderbahnが1895年に開業したときはケーブルカー(Funicular)でした。それがラック式鉄道に改築されて再開業したのが1973年、以降いまの形態となっているようです。ということは、途中で見た行き違い地点もケーブルカー時代を踏襲しているように思えますが、ケーブルカー時代は路線長が短くて現在よりも1駅手前付近が終点だったということですので、そう単純な話ではありません。

Dolderbahnで登った丘の上は、広い森林公園のようになっています。Bergstationから路面電車のZoo駅まで遊歩道を30分ほどき、次の目的地へ向かいました。

Seilbahn Rigiblick

もうひとつの傾斜鉄道、Seilbahn Rigiblickのケーブルカーは、路面電車9,10系統の同名駅 Seilbahn Rigiblick から出発します。

進行方向に向かって上屋が傾斜するような、いわゆるケーブルカー乗り場の形はしていますが、吹きさらしの簡素な駅舎です。ちょうど雨も降り始め、気温も下がってきました。次は5分後に到着するようです。

やがて坂を下って、細身の車両がやってきました。麓側の顔面なので縦長ということもありますが、メーターゲージのため線路幅と比較して車体幅が狭いことも、細い印象を受ける一因かも知れません。Zurichは路面電車も先のDolderbahnもメーターゲージということで、ポリシーが徹底してるように感じます。

完全に自動運転のようで、ボタンを押してドアを開けて乗り込むスタイルは、ケーブルカーというよりもエレベーターに近い感覚です。

登り始めました。途中3つの駅があり、中間駅で行き違いがあります。

ほどなく山上駅のRigiblickに到着、駅前からはチューリッヒ湖を望むことができますが、それほどの高度はないので、眺望がいいというほどでもありません。ちなみに”blick”はドイツ語で”景色”という意味だそうです。Rigi山が見える場所、日本でいう「富士見台」のような地名かも知れませんね。

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