Oxfordは人口約15万人の地方都市です。街の西側にはA34という高速道路が南北に通っていて、東側にはバイパスがあります。A34とバイパスから構成される”Ring Road”と呼ばれる円周状の幹線道路が街を取り巻いており、市街地に入るにはRing Roadから放射状の道路を辿ってRingの内側に入っていくことになります。
Oxfordで生活しているとわかるのですが、Ring Roadはいつも渋滞しており、市街地にあるショッピングモール”West Gate”に向かうクルマの列も長く、交通状況がよいとはとてもいえません。流入交通を抑制するためにRing Roadに近接したP+R(Park and Ride)が5箇所あって、郊外からの自家用車をそこに置いてバスに乗り替えて市街地に入ることもできます。また、街の中心部には一般車乗入制限のある区域も設定され、渋滞緩和の施策もされていないわけではありません。そもそも私自身がOxford駅から徒歩10分ほどのRing Road内側に住んでいて、職場までクルマ通勤していたので、渋滞のことをとやかく言える立場ではなかったですが。
こんな状況を見るにつけ、「Oxfordにもトラムが走っていたらなぁ」と夢想することもありました。イギリスの路面電車(トラム)は一時期ほぼ全滅に近い状態においこまれましたが、1990~2000年代にかけて数都市で復権してきた経緯があります。ヨーロッパの他の国のように、中小規模の都市でも路面電車網を維持してきたわけではなく、数自体が多くありません。
そんななか、調べてみるとOxfordの街にも昔は軌道があったことが分かりました。
OXFORD BUS MUSEUM
Oxfordから分岐するCotswolds線に乗って1駅のHanboroughに”OXFORD BUS MUSEUM”があります。2023.03.26、日曜日の午後にふらっと訪問することにしました。
普段はLondon Paddingtonに直通運転しているCotswolds線の列車も今日はLondon方面が運休のためOxford始発となっていました。珍しく、普段はChiltern Railways専用の行き止まりホームからの出発です。

OXFORD BUS MUSEUMは、Hanborough駅のすぐ脇にあります。倉庫のシャッターに描かれた大きなバスの絵が目をひきます。駐車場が広いのでクルマで来てもよかったかも知れません。


小屋のようなショップでチケットを購入、中に入ると保存されているバスが並んでいます。私にバスの知識がなく、希少価値が分からないのが申し訳ないところです。


正面右側に△の表示で”ONE MAN BUS”と書かれています。日本でもワンマンバスの表示をするのはおなじみの光景ですが(でしたが?)、イギリスが元祖なのでしょうか。行先の”Gloucester Green”はいまでも長距離バスのターミナルとなっていて、私も何度もお世話になりました。
建屋内に入ると、Oxfordで運営されていた軌道の紹介がありました。



いちおう”tram”という括りで紹介されているものの、昔存在したのはいわゆる馬車軌道ということでした。「路面電車ではなかった」という記載が端々にみられ、悔しさも感じられます。


馬に牽かれる客車には、平屋だけでなく2階建ての車両もあったというのがイギリスらしいですね。
当時の地図がありました。インクが薄くなっていたので、路線を描きなぞったものが下の写真です。決して長い距離ではありませんが、まぁまぁの規模で展開されていたのですね。営業していたのは1881年~1914年という短い間でしたが、もし今も残って電化されていたら、街のシンボル的な交通機関になっていた?かも知れません。そんな未来も見てみたかったものです。

順路を進むと、模型や、実物大のレプリカが展示されていました。



空いたスペースで、全く関係のない鉄道模型ジオラマの公開運転をやっていました。地元の同好会かなにかでしょうか。楽しそうです。



別棟には、モーリスの小型自動車の展示がありました。Oxford中心部から見て東南の方向のCowleyにモーリスの工場があり、ミニの製造をしていたそうです。その後BMW miniの工場となって、いまも量産車を出荷し続けています。




完成した自動車の輸送には今も昔も鉄道が使われています。


小さな博物館なので1時間にも満たない滞在でしたが、普段生活している街の歴史を知ることができ、いい経験となりました。帰路のCotswolds線も、Oxford駅は行き止まりホームに到着です。



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