Oxfordに疎開するclass769

United Kingdom

Thameslinkで使われていたclass319が後継のclass700に置き換えられたのち、エンジンを搭載してマルチモードに改造されたのがclass769です。8編成がNorthern Railでバイモード(AC25kVとエンジン)、9編成がTransport for Wales、19編成がGWRでトライモード(AC25kV, DC750Vとエンジン)に改造されたそうです。営業運転ではなくみかける機会がありましたので、写真を載せたいと思います。

Long Marston Rail Innovation Centre

以前の記事「D78 Stockのその後」でも紹介しましたが、英国内の鉄道車両が用途を失ってから再利用先が見つかるまでの疎開先として、”Long Marston Rail Innovation Centre”という施設があります。2022.02.12に同センターを敷地外から見たところ、Northern Rail塗装のclass769が最低でも3編成留置されているのが見えました。これらの車両がこのあと営業運転に就いたのか、退役したあとなのか、それとも準備だけして営業には使われなかったのか、詳細までは分かりません。

手前中央から右側にかけての4両編成がclass769。奥にもう1編成いるように思えなくもない
上の写真の左側を撮影したもの。手前から2本のclass769が見える

Oxford

GWR用に改造されたclass769をOxfordで見かける機会がありました。WikipediaによるとOxfordからReadingを経てGatwickへ向かう空港連絡列車としてclass769の活用が計画されたそうで、Oxford~Didcot Parkwayが非電化、Didcot Parkway~ReadingがAC25kV、Reading~GatwickがDC750Vのため、トライモードのclass769ということになります。

結局営業運転が始まることはないままこの計画は破棄されたようですが、2022年の2月から3月にかけて、Oxford駅北側の留置線に留置されているのを見かけました。まずは2022.02.20です。

手前が769937、奥が769949or769549と読めます

二日後の2022.02.22、Londonの日本大使館へ行くためにOxford駅で列車を待っていたら、class769の回送列車がホームに入ってきました。上の写真で留置されていた769937編成のようです。真偽は分かりませんが、本来の基地が別の場所にあり(Reading?)、Oxfordは疎開先として使われていて、定期的に車両の入れ替えが行なわれているのではないかと推測します。

右奥にある留置線からOxford駅の3番線にやってきたclass769

2022.02.27の留置線です。手前の編成が769922に変わっていました。

2022.03.04、散歩がてら跨線橋を歩いていたら、class769の8連が走ってくるのが見えました。このままOxfordの留置線に向かったようです。769939+769932の組み合わせでした。

しばらくするとOxfordの留置線からclass769の姿は消えました。活用する計画自体がなくなったということです。ちなみにOxfordからGatwickまではAirlineという空港バスがHeathrow経由で走っており、私も何度か利用しました。空港バスはM25というロンドンの環状高速道路を通るのですが、いつも渋滞がひどく、乗り通すとかなり疲れます。直通列車が走っていればなぁ、と夢想してしまいます。せっかく改造までして車両を用意したのに、一度もサービスに使われなかったというのはもったいない話です。

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