ポルトガルのリスボンの路面電車は、ここで取り上げるほどもないくらい有名です。黄色と白に塗り分けられた丸顔の2軸車が、狭い街路や急な坂道を縫うように走る光景はほかの都市で見られないものであり、リスボン観光のシンボルの一つとなっています。
私が初めてリスボンを訪問したのは1999年の卒業旅行で、ただそのときは路面電車の魅力に気づくこともなく一泊しただけでした。その後書籍で、路面電車の外観スタイルの好ましさに魅かれ、2014年にはNゲージサイズでフルスクラッチの模型を作ったりしました。
2017年になってようやく家族旅行で現地を再訪、イギリス滞在中の2023年にも改めて訪問することができたので、そのときの写真を拾ってみます。
みどころ
二軸路面電車 “Remodelado”
なんといっても目を引くのは、二軸単車の”Remodelado”です。200型、700型をタネ車に、1992年から1996年にかけて総勢45両が近代化更新を受け、Remodeladoと呼ばれています(おそらく「更新車」という意味合いかと)。541-585が付番されています(うち6両は観光トラムに再改造)。更新に際し、下回りや電装品の更新、パンタグラフの取り付け、片運化が行なわれました。
最も有名な28E系統と、その支線のような12E系統は、路線の特性上小型車両しか入線できず、Remodelado(および類型車の観光トラム)のみ使用されます。他には、18E系統、24E系統、25E系統がRemodeladoのみで運転されているようです。12E、24E、28Eがポール使用、18E、25Eがパンタ使用となっています。



以前に私が模型化した時はプラ板から作りましたが、最近3Dプリンタで模型化し直したので、これはいずれ記事に書きたいと思います。


急勾配
粘着式鉄道で世界最急勾配としてギネス記録に登録されているのがリスボンの路面電車です。勾配は13.8%(138‰)で、以前の記事で紹介したオーストリアのPöstlingbergbahnが116‰なので、それよりもさらにきつい勾配になります。日本の粘着式で最も急なのは箱根登山鉄道の80‰です。
13.8%なのはCalçada de São Franciscoという通りで、カーブした建物に挟まれた2車線道路上を走る印象的な区間で、28E系統にあります。余談ですが、私のPCの壁紙はCalçada de São Franciscoで撮影した以下の写真です。



狭い道
リスボンの路面電車を象徴するのが、アルファマ地区の狭隘路を走る区間かと思います。単線区間となっており、歩行者が歩くスペースもないようなところを、交互に双方向に車両が行き交います。これも28E系統です。

複線、単線、ガントレット
二軸車が走る28E系統は、両端で折り返して双方向に走る路線のため基本的には複線なのですが、上記のアルファマ地区で単線になるほかにも、道幅の関係で上下線が分かれる区間、ガントレットを選んでいる区間が複雑に混在しています。

団子運転
併用区間ばかりの路面電車はそもそも遅れがちですが、単線区間やガントレットでの進入待ちも加わって団子運転になってしまうことも多いようです。

ケーブルカー
リスボンには路面電車網にほかに、3箇所のケーブルカーがあります。Bica、Glória、Lavraの3箇所です。Glóriaは不幸にも2025年9月に死傷事故が発生してしまいました。



グッズ
ワイン
Oxfordに住んでいたときに、近くのスーパーWaitroseで写真のようなラベルのワインを見つけました。リスボンの路面電車の中心にコミカルなイラストが描かれており、何度か買ってみましたが普通においしい赤ワインでした。





2023年7月にリスボンにいったときに、このワインの広告電車を見かけました。電車の前面のイラストが電車の前面に描かれているというのは、なかなか面白いです。

チョコ?
これは日本で販売されていたものです。2022年か2023年頃にKALDIでチョコ菓子として販売されていて、食玩といっていいのか、チョコが入っているケース=ブリキの路面電車のほうがメインではないかと思われる商品でした。
色こそ異なりますが、どこからどう見てもリスボンの路面電車です。前面形状や窓配置が似た車両がシントラやポルト、マヨルカ島にもいるとはいえ、ポールとパンタの両方を載せた車両はリスボンのRemodeladoにほかなりません。かなり巨大です。Nゲージサイズと並べてみました。


次回の記事では、主に28E系統の区間ごとの様子を紹介していきたいと思います。


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