ドイツの一大工業地帯であるライン=ルール都市圏に、懸垂式のモノレールが走っています。Wuppertaler Schwebebahnが現存する世界最古のモノレールとして有名ですが、デュッセルドルフ空港と鉄道駅の連絡輸送手段Skytrainや、ドルトムント工科大学のキャンパスを結ぶH-Bahn等、同様に懸垂式のモノレールを比較的狭い地域の中で見ることができます。これらのモノレールに乗ってみることにしました。
Skytrain
2022.04.29、ヒースローからBritish Airwaysでデュッセルドルフ空港に到着しました。Düsseldorf市街へ向かうには、SバーンのFlughafen Terminal駅から直接鉄道に乗ることもできるようなのですが、ここはSkytrain乗り場へ向かいます。弧を描いたターミナルビルに沿ってSkytrainの軌道と2か所の駅がありました。早速乗車して、SバーンのDusseldorf Airport駅に向かいます。


このあと向かうDortmundのモノレールと同じ、SIEMENSの”SIPEM”と呼ばれるモノレールシステムだそうです。車体は少し変わった形をしています。5分ほどでSバーンの駅に着きました。
Wuppertaler Schwebebahn(ヴッパータール空中鉄道)
Düsseldorf中央駅でSバーンを乗り換え、Wuppertalへ向かいます。前回乗車したのが1997年でしたので、25年ぶりの訪問となりました。13.3kmの路線はほぼ鉄道と並行に走っており、両端のVohwinkel Schwebebahn、Oberbarmen、および途中にあるWuppertal Hbfで鉄道駅と接続しています。現代ならばモノレールという特殊な選択ではなく、LRTが敷設されていてもおかしくないように思います。
SバーンをWuppertal-Vohwinkelで下車し、歩いてVohwinkel Schwebebahn駅に向かいました。さっそく、モノレールの軌道が道路を跨いでいるところが見えます。

モノレールがやってきました。25年前に走っていたのはオレンジと青の塗分けのBaureihe 72でしたが、いまは水色のBaureihe 15に置き換えられています。片側運転台なので前後で顔が異なるようです。





下から見上げるVohwinkel Schwebebahn駅は、堂々とした巨大建築物です。

モノレールの軌道は途中までは道路の上、途中からは川の上を走ります。軌道の桁を支えるハの字の橋脚が連なる中、モノレールはこまめに駅に停まりながら進んでいきます。(左側の席に座ったので、左カーブの写真ばかりです)




Oberbarmen駅に到着しました。モノレールはホームの先にある転回所で180°向きを変え、また元の方向へ戻っていきます。



Wuppertalは鉄軌道です。両フランジの鉄の車輪がレールの上を走行するのですね。駆動部がむき出しのため、ダイナミックさを感じます。

Sバーンに乗り換えるために地上に降りて見上げたOberbarmen駅は、こちらも川を跨ぐように部材が組み合わせられた巨大な駅でした。

H-Bahn
WuppertalからはEssen経由でSバーンを乗り継ぎ、Dortmund Universitätで下車しました。Dortmund工科大学のキャンパスを結ぶ懸垂式モノレールH-Bahnは、TechnologiezentrumからEichlinghofenを結んでおり、2か所の途中駅のうちひとつが、Sバーンとの接続駅であるDortmund Universitätです。実際は途中で分岐してCampus Nordに至る枝線もあるのですが、Campus NordとDortmund Universitätはすぐそばに位置するため、あまり枝線という感じもしません。訪問当日は、Technologiezentrum~Dortmund Universität、Dortmund Universität~Eichlinghofen、Campus Nord~Campus Südの3区間で、それぞれ1両ずつが折り返し運転をしていました。
Technologiezentrum駅は道路の上にある駅です。軌道はプツンと途切れており、延伸できなくもなさそうな構造でしたが、キャンパスを結ぶ用途としてはこれで十分なのでしょう。

Dortmund Universität駅です。単線のH-Bahnにおいて唯一の交換可能駅です。実際は行き違いは行なわれておらず、ホームの片側がTechnologiezentrumとの折り返し列車(2号車)、もう片側がEichlinghofenとの折り返し列車(4号車)専用となっていて、直通したい人は乗り換えが必要でした。


車両の底面には、停車時に駅と車両を固定する駐車ブレーキのようなものが見えます。

反対側の終点のEichlinghofen駅は地面からの高さがなく、木々にも囲まれて、また趣の違った駅でした。





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