GothaからThüringenの森をめざす路面電車

Germany

いつのことかも覚えていないくらい昔の「世界の車窓から」で、ドイツのゴータ(Gotha)からチューリンゲンの森へ向かう、黄色と水色のかわいい路面電車が紹介されたことがありました。いつもは黄色と水色のツートンカラーに魅かれることはないのですが、このときの様子が記憶に残っていていつか訪問したいと考えていました。

この鉄道はThüringerwaldbahnと呼ばれる路線で、DBのGotha駅を起点に西へ20kmあまりのBad Tabarzまでを結んでいます。Gotha自体は人口5万人足らずの街であり、その路面電車網が、チューリンゲンの森に向かう郊外線と一体化した運転形態となっています。適当な例えか分かりませんが、広島電鉄市内線と宮島線のようなものかと思います。また、黄色と水色のかわいい路面電車は、タトラ製の2両連接車”KT4D”という形式だということが分かりました。丸目2灯の前頭部は私の好みでもあります。

2019年9月と2022年9月にGothaを訪問する機会を得ましたので、その記録を残したいと思います。今回は2019年9月です。

ゴータ市内の路面電車系統
© Arbalete, Gotha – Netzkarte der Straßenbahn.png, CC BY-SA 2.0
Thüringerwaldbahnの路線図
© C21H22N2O2, Geographische Karte der Straßenbahn Gotha und der Thüringerwaldbahn., CC BY-SA 4.0Thüringerwaldbahn

Gotha Hbf. → Bad Tabarz

2019.09.24、この日は朝にフランフルトを出るドレスデン行きICE-Tに乗って、Gotha駅までやってきました。

地下道を通って北側にある駅前広場に出ると、ThüringerwaldbahnもしくはGotha straßenbahnの駅前停留場が見えました。3面2線で大きな屋根をもつ立派な停留場です。

手前に停車している508号は1系統”Krankenhaus”行き、右側の317号は2系統”Ostbahnhof”行き、隠れていて見えないのですが508号の後ろには314号の4系統”Bad Tabarz”行きが停車しています。運転系統によって乗り場が分かれているようです。

1系統”Krankenhaus”行き
2系統”Ostbahnhof”行き
4系統”Bad Tabarz”行き

314と317がお目当てのKT4Dです。早速4系統に乗って終点のBad Tabarzを目指しました。約50分の道のりです。沿線はおおよそ3つの区間に分かれて風景が変化していきます。まず始発のGotha Hbf.からDBの線路をくぐったSundhausenまでは、Gothaの街中を路面で走っていきます。Gotha自体がそれほど大きな街ではないのでのんびりと走ります。Sundhausenの先で、Krankenhausに向かう1系統とBad Tabarzに向かう4系統が分岐、4系統はスピードを上げてドイツの田園風景の中を専用軌道で走っていきます。Waltershausenにあるデルタ駅Gleisdreieckからはまた風景が変わり、チューリンゲンの森の中を走っていきます。GleisdreieckからFriedrichrodaまでは非電化単線のDBローカル線と並走、Friedrichrodaで分かれたあとは向きを変えてさらに森の中を走り、終点のBad Tabarzに至ります。Bad Tabarzはそれまでの森の風景からすると拍子抜けするくらい、周囲が開けた普通の田舎町の風情となります。

Thüringerwaldbahnの電車は片運転台で(後述する例外あり)側扉も片側にしかないため、Bad Tabarzはラケットループでの折り返しとなります。20分あまりの折り返し時間のあいだ、今後の模型作りの参考のために車両の写真を撮影しました。

Gleisdreieck → Waltershausen Bahnhof

折り返しの電車に乗って、途中のGleisdreieckで下車しました。Waltershausen Bahnhof方面への分岐駅です。

上のGoogle mapでいうと、東方向がGotha Hbf.、南方向がBad Tabarz、北西方向がWaltershausen Bf.となります。Gleisdreieckの駅構内は典型的なデルタ型の配線で、各方面相互に直通できるようになっています。本線は単線ですが、三角形の各辺を構成するホーム部では行き違いができるように複線になっています。現在では、Gotha Hbf.とBad Tabarzを結ぶ4系統が東側のホームを使って行き来し、Gleisdreieck~Waltershausen Bf.を区間運転する6系統が北側のホームを使って折り返します。時刻表上は、4系統がGleisdreieckで交換するのに合わせて6系統が発着し、相互の乗り換えが便利なように考慮されているようです。

左奥が6系統、右が4系統のGotha Hbf.行き
4系統が行違う

Gleisdreieckで電車が行違う風景を撮影していたら、乗り替えたかった6系統の電車が行ってしまいました。次の電車まで30分、のんびりと待つことにします。いつかジオラマで再現することがあるのか分かりませんが、電車のいない駅構内で資料になりそうな写真を撮ってみました。

6系統の区間運転用のホームに、Waltershausen Bf.から電車が戻ってきました。Waltershausenの街中を走るだけの短い系統なので、1本の電車が行ったり来たりしています。

一見普通のKT4Dですが、6系統の区間運転用に両運化改造された2両(316、317)のうちの1両です。上の写真が増設運転台側で、パンタがない車体なのが分かります。下の写真が既設運転台側です。

GleisdreieckからWaltershausen Bf.までは6分の道のりです。Waltershausen Bf.にも方向転換用のラケットループが設置されているのですが、現在は両運転台車に置き換えられているためループは使われず、そのまま進行方向を変えて折り返すことになります。両運転台車も乗降ドアは片側にしかないため、Waltershausen Bf.だけループを使うわけにはいかないのでしょう。

Waltershausen Bf.で折り返し

このあと目の前にあるDBのWaltershausen駅まで歩き、そこから単行のディーゼルカーに乗ってWaltershausenをあとにしました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました