前回の続きです。世界で一番路線長が長い路面電車(ライトレール)”Kusttram”がベルギーを走っています。ベルギーの領土が北海と接する海岸線沿い、フランス国境に近い”De Panne”から、オランダ国境に近い”Knokke”まで67kmを結んでおり、東京駅からで例えると平塚や熊谷、大阪駅からだと和歌山や加古川に相当しますので、相当な距離であることが分かります。ベルギー沿岸の殆どをKusttramがカバーしていますので、見方を変えれば、ベルギー内陸から海に出ようとする場合はほぼKusttramを横切ることになります。Oxfordからクルマでやってきた旅行の最後に、Kusttramに乗車してみたいと思います。

De Haan → Knokke
全線を通しで乗ると2時間半、往復5時間もかかるので、タイミングを分けて乗車することにしました。2023.04.10、オランダのRTM博物館を15:30頃に出発、今日の宿泊地であるベルギーのDe Haanまで80kmあまりなのですが、実に2時間ほどかかってしまいました。強い雨のドライブだったのに加え、オランダの跳ね橋で橋が下りるのを待ったり、有料海底トンネルで料金所のブースが左側にしかないので運転席から手を伸ばしたり、と、それなりに気を使う場面が続いたので、De Haanに到着したときは一安心でした。KusttramのDe Haan駅にほど近いホテルにチェックイン、一息ついてから出かけることにしました。
De HaanはKusttramの東端Knokkeから22km、全線のおよそ1/3にあたる場所なので、今日はKnokke側を攻めます。

駅に着くと、ちょうど18:12発のKnokke行きがやってきたところでした。間に合いそうにないのでこれは見送ります。角型の外観をした6000形です。


電車は15分間隔です。待っている間に反対方向のDe Panne行きがやってきました。こちらは新型のUrbosです。(後日談としては、6000形は2023年9月に引退したそうですので、このときの訪問が最後の機会になりました)

15分後のKnokke行きはUrbosでした。乗ってしまうと終点Knokkeまで50分ほど、ひたすら揺られていくだけです。途中Zeebruggeの街でKusttramは特異なルートを辿ります。Zeebruggeは大きな港湾都市であり、その臨海部の幹線道路に沿ってKusttramは走ります。Kustlaan~Zeesluis間で”Pierre Vandammesluis”という橋で運河を渡るのですが、これがやはり跳ね橋となっており、跳ね上がっている間は一つとなりの”Verbindingsbrug”という別の跳ね橋に迂回するようになっています。船の通行に応じて”Pierre Vandammesluis”もしくは”Verbindingsbrug”が跳ね上がることになり、Kusttramは跳ね上がっていない方を通過できるよう2つのルートが準備されているのです。この日は直進ルートの”Pierre Vandammesluis”が跳ね上がっており、Kusttramは”Verbindingsbrug”まで大きく迂回する走行経路となっていました。


19:30頃にKnokkeに到着です。

降ろされたのは降車用ホームだったようで、ここまで乗ってきた電車は大きなラケットループを少しだけ進んだ前方で停車しました。あそこが乗車用ホームのようです。

近くには車庫があり、ラケットループ内にも留置線?がみられます。いまは電車がほぼ出払っている様子ですが、終電が近づくにつれて順次車庫に取り込んでいくのかもしれません。


19:40発の電車でDe Haanまで戻りました。
De Haan → Oostende Ravelingen
翌2023.04.11、少しでも乗車距離を稼ぎたいと思い、ホテルの朝食前の時間を利用して、今度はDe Haanから西側を攻めることにしました。まだ暗い中、目的地は定めず朝食に間に合う適当なところで折り返してこようと思って下車したのがOostendeという港湾都市の西側、ビーチ沿いにあるRavelingenでした。

時刻は朝の7時過ぎ、ようやく空が明るくなってきました。この辺りはKusttramが数kmにわたって砂浜沿いを走る、沿岸軌道らしい象徴的な景色が広がります。レールもすっかり砂に埋もれていました。さすがに朝も早いこの時間にはビーチにはほとんど人影は見られません。



帰り道、Oostendeの国鉄駅を道路と一緒に跨ぎます。Oostendeにもやはり、昨日のZeebruggeのように跳ね橋を迂回するルートが設けられていました。

De Panne → Oostende Ravelingen
ホテルを9時過ぎにチェックアウト後、クルマを1時間ほど走らせてKusttramの西端、De Panneまで移動しました。De Panneは4日前にクルマで大陸に上陸後、下見に来て以来です。そのときは駅に隣接する遊園地の駐車場に案内されてしまい、用もないのに高い駐車料金を取られるという悲しい経験をしたので、今日は間違えないようにKusttramのP+R駐車場にクルマを停めました。(クルマで行かれる方は気を付けてください)



Kusttramが発着するのは国鉄のDe Panne駅前で、国鉄の列車からの乗り換え客を多く乗せて出発しました。そこからしばらく走った海岸沿いがDe Panneの街中で、賑やかな高級リゾート地といった趣の中をKusttramは走っていきます。

De Panneから1時間ほど、朝に降りたOostende Ravelingenに4時間半ぶりに戻ってきました。3区間の乗車に分けましたが、これで全長67kmのKusttram完乗です。すっかり空は明るくなり、車内も観光客でにぎわっていました。せっかくなので砂浜をしばらく散歩してからDe Panneに引き返し、クルマを拾ってOxfordまで帰りました。




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