オーストリアのリンツ(Linz)には30kmあまりの路面電車網がありますが、その一部がドナウ川を渡ってPöstlingbergbahnとなり、市街地の北西にあるPöstlingbergという山に登ります。もともとは独立したPöstlingbergbahnだったところ、メーターゲージから900mmへの改軌を経て2009年5月からLinz市電との乗り入れを開始しました。山を登る途中には116‰という粘着式鉄道としては非常に急な勾配があり、なかなか興味深い路線となっています(ちなみにPöstlingbergbahnの116‰が世界の粘着式鉄道の中で最急勾配という記載をネット上で見かけることがありますが、Lisbonの路面電車が138‰という情報もあり、よく分かりません。感覚としては、やはりLisbonのほうが急勾配を走っている印象です)。一度乗ってみたく、Linzを訪問することにしました。

Linzへ
2023.04.29、早朝発の便でLondon GatwickからSalzburg空港に到着、バスで市内へ向かい11:00頃にはSalzburg Hbf.に到着しました。12:11発のRailjetでLinz Hbf.に向かいます。Railjetに乗るのは今回が初めてのことで、他の国の高速列車とは異なる客車列車ならではのゆったりとした車内が心地よかったです。


Linz Hbf.からは市電に乗って、Pöstlingbergbahnを目指します。PöstlingbergbahnはLinz Hbf.までは乗り入れておらず、目抜き通りを北に進んだHauptplatzが始終点となっています。そこから路面電車の3,4系統と線路を共用してドナウ川を渡り、3,4系統の終点のLandgutstraßeからは単独運転となる運転形態です。まずは市電を乗り通してLandgutstraßeで下車しました。





Pöstlingbergに登る
Landgutstraßeの降車ホームで待っていると、さきほどHauptplatzでみかけたPöstlingbergbahnの502号がやってきました。



Landgutstraßeを出るとÖBBの線路と平面交差し、少しずつ坂を登っていきます。といっても、登山というよりは郊外ののどかな風景です。



途中に勾配標があるのを見つけました。赤い数字が‰のようでしたが、途中で見落としたのか、最急勾配の116‰の写真を撮ることはできませんでした。

Landgutstraßeから15分ほどで、終点のPöstlingbergに到着です。

開業当初からの駅舎なのかさらに古い建築物なのか、石造りの円形の建物を突っ切るように線路が通っており、円の外周部分に2か所、三角屋根の門みたいなものが設けられています。



Landgutstraßeに戻る
折り返しの電車で山を下り、Landgutstraßeまで戻りました。ここは900mmに改軌される前、本来のPöstlingbergbahnの起点駅であり、旧駅舎が残されているため見学しようと思います。

ÖBBの線路を挟んだ反対側に、旧駅舎はありました。建物内には自由に入ることができます。

頭端式のホームには2本のレールが残されており、右側は車庫へ、左側は現在線へとつながっているようです。右側のレールは改軌前のメーターゲージのまま残されているのですね。

ホームに入ることはできませんでしたが、建物内には歴史を紹介する展示物が置いてありました。


市内線乗り入れに際して設置されたÖBBの平面交差はこんな感じです。左手前のカーブがPöstlingbergbahnの900mmの線路で少し先で分岐し、左が旧駅舎、右が平面交差を経て市内線へとつながっています。ÖBBのほうが非電化で架線がないため、交差部もそれほど複雑な感じではありません。

LandgutstraßeにはÖBBのLinz Urfahrが隣接しています。ちょうど5022形の列車が到着しました。



1本後の山を下りてきた501号に乗って、Pöstlingbergbahnの現在の起点、Hauptplatzで下車しました。Pöstlingbergbahnは行き止まりの専用ホームに発着し、Linz市電の行き来を邪魔しないようになっています。


ここからLinz Hbf.までは、時間もあったので目抜き通りを歩いて戻ることにしました。市電の車両を撮影したり模型屋さんのショーウィンドウを覗いたり、なにげなく歩いていたのですが、どうもパレードか何かでLinz市電の運行休止時間帯に入るところだったようで、歩いていたおかげで影響を受けずに駅まで戻ることができました。







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